さいだねブログ

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浅田次郎 月島慕情


浅田次郎の小説。
浅田次郎の世界にどんどん引き込まれます。
強烈な何かがあるというより、心の琴線にそっと触れてくるような、しみわたるような感覚が、
心と身体に入ってきます。


浅田次郎の『珍妃の井戸 (講談社文庫)』については、ホームページの日々これ好日で書いています。
http://www.a-relation.com/diary/2007/01/post_156.html



今回は、『月島慕情』を読みました。
短編集です。
どれもこれも秀逸な作品ばかりでした。


ハラハラドキドキ、悲しみ、怒り、安堵感などの情動が急激に変化する小説や映画、ドラマ
というのもあります。その典型的なテレビドラマで思い出すのは『24』です。


しかし、浅田次郎の小説は、人の中にあるさまざまな情動を描きながらも、
読む人の心には、味わい深い情動に変化させます。


文字を文章に。文章を小説に。
人の心を豊かにするエッセンスを詰め込むという、人間の持つさいだねは、どこを源とするのでしょう。
人の心を動かす、琴線触れる源は、どこなのでしょう。


文字にいのちを吹き込む。
人間のすばらしいさいだねです。