紅白・白組司会の笑福亭鶴瓶
大晦日、NHK紅白対抗歌合戦を観ました。
今回の紅白は、たっぷり歌を聴いたなあという感じです。
ここ数年の紅白は、お笑い芸人がちょこまか出てきたり、学芸会のほうがまだマシな出し物をしたりと、
歌と何の関係があるのかよくわからないことになっていました。
しかし、今回はきっちり歌を聴かせるものでした。
今日のさいだねは、白組司会の笑福亭鶴瓶。
紅白終了後、出演者たちは口々に、
「いい司会だった」
鶴瓶に声をかけていました。
社交辞令ともとれますが、私もけっこうよかったなと思っています。
鶴瓶のキラッと光るさいだねを見たり〜という感じです。
『鶴瓶の家族に乾杯!』や『きらきらアフロ』の鶴瓶とは、ひと味違う鶴瓶を見せてもらいました。
なぜ、今回の紅白がよかったと感じたのか?
今までと違う紅白をみせてくれたから。
司会をしている鶴瓶が、自分の目の前で起きていること、見ているものを伝え、
感じたことを伝えてくれました。
「いや〜、さすが。皆さんプロです。ほんまもんです」
歌手のプロ意識の高さやステージの迫力を伝えてくれます。
テレビで観ていると、会場の雰囲気や熱気がほとんど伝わってきません。
その上、いつもの司会だと、台本どおり進行することに重きを置いています、というのがバシバシ伝わってきて、
テレビで観ているほうはおもしろくない。
歌と歌の間のステージ設営も伝えてくれます。
(設営替えのことを、ホテルでは“ドンデン”と呼んでいたので、以下“ドンデン”で)
ドンデンはスピードとの戦い。真剣勝負です。
裏方のスタッフが急いでいる様子や飛び交っている言葉も伝えてくれます。
私は以前ホテルで働いていたので、ホテルのディナーショーでの会場のドンデンを思い出します。
あのスピード感がたまらなく好きでした。
私はディナーショーの運営担当だったので、会場担当のサービス・スタッフの邪魔にならないようにするだけで
精一杯でした。
宴会サービスのスタッフのすばやい動き、チームワークに、魅せられたものです。
かっこよかった!
鶴瓶の言葉に、ディナーショーの時の緊張感がよみがえってきました。
最終4人の歌手は、阿久悠を偲んで、彼の作詞の歌を熱唱。
やはりプロです。聴き応えありました。
歌手とは、ほんの数分間で、人を惹きつけ、感動を届けるプロですね。
鶴瓶の司会を通じて感じたことは、
司会とは、会場のお客さまや茶の間の私たちのためだけに存在しているのではない。
そのステージを一緒に作り上げる歌手のためにも存在している。
鶴瓶は、会場のお客さまや茶の間の私たちに「この人たちはプロです」と発信し、
歌手たちには「あなたたちはプロです」と発信し続けることで、
彼らの気持ちも盛り上げていたということです。
この紅白のテーマである『歌の力 歌の絆』。
最終的には、テーマがしっかり伝わってきました。
上手に話そうというよりも、司会者として、自分が感じたままに話すのが楽しいという気持ちが伝わってきました。
鶴瓶の伝える力には、感じたままに伝えるというさいだねが宿っているのだと感じました。
そして、何よりも誰よりも、鶴瓶がプロなんだなぁ。
プロというさいだね。
私たち誰もが持っています。
しかし、自分では認めにくいかもしれません。
だったら、まわりの人の「この人のこれはプロだ!」というさいだねを認めるところから始めてもいいかな。
最後に。
誰よりも紅白を楽しんでいたのは、間違いなく、鶴瓶、あなたです。
ほんま、楽しそうやったね。