怖がりだから
先日、知人の行きつけのバーに連れて行ってもらいました。
ママさんが一人、カウンターだけの小さなお店です。
7人座ると満席。
ほんまに狭い。
お店の内装や雰囲気は、オープン時とまったく変わってないそうです。
お店をオープンしたのは、大阪万博の年。
オープンして38年。
38年も一人で続けてこれるって。。。すごいな。
私の好奇心が、
ママさんのさいだねって何やろ?が、ムクムクと湧き上がってきました。
ママさんに聞いてみました。
「38年間も続ける秘訣は何ですか?」
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(「ママさんのさいだねは何ですか?」の翻訳版)
すると、ママさんは
「私ね、怖がりやねん。
もっと広い場所へ移転したらどうか、とみんな言うてくれたりしたけど、
値段はそのままで、とか言うねん。
それやったら、今のままで、みんなに来てもらうほうがいいなと思って。
そしたら、38年続いてたっていうだけのこと。
お店大きくしてたら、たぶん続いてなかったと思う」
ママさんの38年が詰まっている言葉。
ああ、そうか〜。
“怖がり”は、さいだねなんだ。
“怖がり”というと、行動できない、小心者など、どちらかというとマイナス・イメージが強くなりがちです。
しかし、ママは“怖がり”というさいだねを“慎重”に使った人でした。
さいだねには、プラスのものも、マイナスのもの、ゼロのままのものもあります。
プラスにするも、マイナスにするも、ゼロのままも、自分次第だとうことです。
さいだねは、使いようです。
さいだねをどう使うかで、そのさいだねの発揮の仕方がどうにでもなるわけです。
ママさんは、自分のことを怖がりと表現しましたが、
私には、ママさんは慎重に判断できる人という印象です。
「カラオケもないから、しゃべるしかないねん。ははは〜」
ステキです。
物理的には狭いお店ですが、空間に抱かれるような心地よさでした。
なんなんだ、この心地よさは〜。このホールド感は〜。
満席のカウンターに並ぶオジサンたちが、ママの子どものように見えました。
ほんま、みんな楽しそうに飲んでるなあ。
はんま、みんな楽しそうに話しているなあ。
ママさんの怖がりのさいだねは、38年間、訪れる人にいっときの幸せを与えてきたのでしょう。
そして、これからも。