さいだねブログ

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みうらじゅん 『アウトドア般若心経』


みうらじゅんの『アウトドア般若心経』を手にしました。

般若心経の278文字。
その一文字一文字を、撮影した日本中の看板で構成する、という突拍子もない発想の本です。


あとがきには、このように書かれています。

そもそもの始まりは街の駐車場の入り口に、
「空アリ」
の文字を見つけたのがきっかけでした。


一般的に“あきアリ”と読むのが正しいのでしょうが、僕のその時の心境は“くうアリ”、
般若心経の真髄である「空」の教えがそこに示されているように思えたのです。


「空」とは何もない状態を表していますが、それが「アリ」というわけです。
ないことがあるとはどういうことなのでしょうか? ゼロの発見のようです。


みうらじゅんの「空」への探究心が、看板の文字を使って、般若心経を表現する、
という、とんでもなく面白いさいだねを世に送り出しました。


ユニークなことに、真面目に取り組む。

このアンバランスさが、新しいバランスを生み出しているように思います。



時間の無駄だ、馬鹿げたアイデアだ、という人もいるかもしれません。

しかし、この着想のユニークさが、みうらじゅんさいだねです。

そして、それを実行してしまう探究心もみうらじゅんの持ち味。
だって、思いついても、ほとんどの人は実行しないから。


他人の目を気にしていたら、到底できない。


看板を激写する中年のオッサン。
不審者以外の何者でもありません。


そんな中から生まれた『アウトドア般若心経』の278文字、それぞれにストーリーを感じます。



“アウトドア”と“般若心経”。

この組み合わせの絶妙さは、みうらじゅんさいだねの成せる業です。

さすが、“マイブーム”や“ゆるキャラ”などの造語を生み出しただけのことはあります。



みうらじゅんのゆるさを味わいたい人には、この番組もオススメです。

NHK教育テレビ土曜かきこみTV
http://www.nhk.or.jp/kktv/

子ども向けの番組ですが、大人たちが真剣に語っています。

大人である私も、真剣に見てしまう番組です。



認めたくはなかったけれど、ここで認めてしまおう。

そうです。私は、みうらじゅんさいだね(発想)のファンなのだ!