社章
お世話になっていたTさんが亡くなり、Tさんが生前大切にされていた身の回りの品の
整理のお手伝いをさせていただきました。
お洒落な方で、イヤリングやネックレスなどアクセサリーもたくさんお持ちでした。
碁盤の目のようになったジュエリーケースに、
アクセサリーが丁寧かつ整然と並べられていました。
その並べられたアクセサリーの中に、ひとつだけ違う種類のものがありました。
それは、Tさんが立ち上げた市民グループの“社章(バッジ)”です。
毎朝、アクセサリーを選び、社章を身につけるTさんの姿が、
目の前に現れるかのような錯覚に陥りました。
社章のデザインそのものが、Tさんの目指すところであり、Tさんが成し遂げてきたことなのだ、染み入るように感じました。
いちばん大切にされていたのは、この社章ではないだろうか・・・
社章にはひと言も触れられていません。
私の勝手な思い込みです。
20年という歳月、活動を続け、多くの人に影響を与えてきた人。
多くの人のさいだねに影響を与えた人。
もちろん、私もその一人です。