踏ん張る力
最近、自分自身、失いつつあるなぁ・・・と感じる力があります。
それは、『踏ん張る力』です。
外出先でも、和式トイレが少なくなったなあと思います。
一昔前は、トイレに並んでも、洋式を避ける人が多かったように思います。
洋式トイレと和式トイレの割合も逆転しています。
今は、洋式でもまったく抵抗なく、みなさん利用しています。
日本のご家庭の洋式トイレの普及率が高くなっているのでしょう。
子どもの頃は、家の和式トイレに座って、どれくらいの時間で足がしびれてくるのか、
感覚的に理解していました。
どれくらいの時間踏ん張っていられるか、体が覚えていましたねー。
ある意味、精神力も要りました。
それに、達成感もありました。
ここ何日間かで、踏ん張ったのはいつだろう?
・・・・・う〜ん、思い出せない。
生活が便利になって、ラクで、快適です。
私たちが手に入れた快適さと引き換えに、手放したのは踏ん張る力。
少しぐらい不便なほうが、体にも精神的にも、いいような気もしてきます。
食べ物が変わって、日本人の腸は短くなっていると聞きました。
踏ん張る力が弱くなって、人体にどのような影響が出てくるのでしょう。
欧米人はずっと洋式なのだから、日本人だって、特に気にすることはないのかもしれません。
以前読んだ本で、小説家の吉行淳之介が、家を建てたか改築したかで、
その時はトイレは和式にしたけれど、年をとってから、洋式にしておけばよかったと後悔した
というエピソードを思い出しました。
たしかに、足腰が弱くなってからは、洋式のほうが体に負担は少ないでしょう。
一長一短。
生まれた時から、洋式トイレしか知らない今の子どもたち。
本来人間が備えている踏ん張る力のさいだねが、どうなっていくのか?
どこで伸ばしていくのか?
やはり、気になってしまいます。